8割の社長が知らなかった産休・育休の給料や手当

あなたは産休や育休について詳しくご存じですか?

最近業績好調で社員を増やし続けている、とある社長(以下K社長とします)と話をしていたときに驚いたのですが、産休や育休について言葉は知っているけど意外と誤解が多いようです。

今回は、8割の社長が知らなかった産休や育休に関する給料の取扱い、公的機関による手当、法令との関係について解説します。

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産休とは?

一般的には略して産休といいますが、正しくは労働基準法第65条に基づく、産前産後の休業のことです。

労働基準法第65条(産前産後)
  1. 使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
  2. 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。

育休とは?

次に、育休ですが、これは、育児介護休業法(正しくは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)第5条に基づく育児休業のことです。

条文が長いので必要な部分のみ抜粋しておきます。

育児介護休業法第5条(育児休業の申出)
労働者は、その養育する1歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。
育児介護休業法第6条(育児休業申出があった場合における事業主の義務等)
事業主は、労働者からの育児休業申出があったときは、当該育児休業申出を拒むことができない。

これを図としてまとめると以下のようになります。

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産休・育休中の給料はどうなるのか?

いよいよ、K社長とのやり取りに入ります。

  • K社長: 最近は女性の活用促進なんていうし、確かにその通りだとは思うけど、産休や育休を取られると、小さな会社としては辛いというのが本音だよ。
  • あべ:人の補充が難しいんですか?安易に人を補充するより、この機会に業務の見直しを行って、システム化や外注など、今の人員で乗り切れる組織づくりをするのが良いでしょうね。
  • K社長:人の補充は派遣をお願いしたりして乗り切れると思うけど、休んでいる人にまでお金を払うのはやっぱり小さな企業だときついよ!
  • あべ:??? 産休や育休は別に無給で構わないですよ。健康保険から手当も出るので、社員から見ても収入がいきなり0になるわけではないですから。もちろん、社長が給料を払いたいならそれは構いませんが。
  • K社長:そうなんだ!!!てっきり有給休暇と同じように給料を払わないといけないと思っていたよ。制度についてもっと詳しく教えてよ!

気になったので、他の知人の社長にも聞いてみたのですが、「えっ、無給でいいの?」と意外と知らない人が多いようです。

産休・育休は無給で構いません!

法令では、確かに、請求があれば与えなければならないと、義務づけています。

また、以下のパンフレットでも積極的に周知しています。

ただ、有給とは言ってませんし、無給とも言っていません。

だから無給で構わないわけです。

法令で義務として書いていることは守らなければなりません。逆に言えば、書いていないことは会社が自由に決めることができます。

そのため、多くの企業では、就業規則の中で明確に「無給」と書き、労働者にも周知することで後々のトラブルにならないようにしています。だからこそ就業規則は大事なわけです。

有給休暇は、法律でも「年次有給休暇」とはっきりと「有給」と書いています。

労働基準法第39条(年次有給休暇)
使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

参考

産休・育休中には手当や給付金がある!

産休や育休を取得する社員に対しては、健康保険から出産手当金、雇用保険から育児休業給付と経済的支援は行われます。

もし大事な社員の生活面が心配であれば、会社として残りの部分の補填を考えてあげるという手立てを行えばよいだけです。

実務的に人事労務管理を行うときには、実は、法律に書いてあることよりも、書いていないことをどう扱うかが重要になります。

どのように法令を判断すればよいのかという知識に加えて、他の多くの企業はどうしているのかといった情報も重要です。

法律にしたがって無給で良いからといっても、同業他社が有給にしていれば、同業他社の方が魅力があることになりますよね?

そういう意味でも、きちんとした専門家に相談し人事労務管理の制度設計を行うというのが、結局近道になります。

なお、8割というのは私の周りで聞いてみた結果の数字なので、公式な統計などはありません・・・その点はご容赦ください。。。

8割の社長が知らなかった産休・育休の給料や手当
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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