6割の学生がブラックバイト経験済!厚労省の調査結果を詳細に解説!

ブラック企業という言葉に続き、ブラックバイトという言葉も最近ニュースでよく見かけるようになりました。

行政も、この状況を放置せず、積極的に対応している印象を持っており、厚生労働省はアルバイトに関する意識等調査を発表しました。

今回は、ブラックバイトに関する厚生労働省の調査結果の内容、企業として求められる具体的な対応について解説します。

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ブラックバイトとは?

ブラック企業のない社会へ」によると、ブラックバイトの定義は以下のとおりです。

フリーターの増加や非正規雇用労働の基幹化が進む中で登場した学生であることを尊重しないアルバイト。

低賃金であるにもかかわらず、正規雇用労働者並みの義務やノルマを課されたり、学生生活に支障をきたすほどの重労働を強いられることが多い。

岩波ブックレット『ブラック企業のない社会へ』より

ブラック企業と関連して考えると、ついつい居酒屋などを考えてしまいますが、最近のニュースでは、塾講師というのも問題になっています。

「時給が高いアルバイト」として塾講師は学生に人気のアルバイトだが、授業時間帯の前後の準備や報告書作成、授業時間外の相談業務などには賃金が支払われない「教育ブラックバイト」問題があるとして塾講師の労働環境の悪化がクローズアップされている。環境改善を求めて労働組合が結成され、厚生労働省も改善要請に乗り出している。

 ブラックバイトというと、居酒屋やファストフードなどを思い浮かべるが現実は違う。元塾講師の男性は「ブラックバイトユニオンが発足から受けてきた約350件の相談中、約3割が塾や家庭教師などの教育産業で、そのほとんどが個別指導塾」という。

2015年10月28日付・塾講師の労働環境悪化 教育ブラックバイト問題(大阪日日新聞)より抜粋→リンク切れ

実際、個別指導塾で労働基準監督署から是正勧告も受けたという報道も大々的にされています。

茨城県などで個別指導塾「明光義塾」のフランチャイズ教室を運営するワールドオーエー(水戸市)に、茨城労働局土浦労働基準監督署が7日、賃金未払いなど違法行為があったとして是正勧告していたことがわかった。団体交渉中の労働組合「個別指導塾ユニオン」が25日、発表した。

同社は、明光義塾を全国展開する明光ネットワークジャパン(東京都)のフランチャイズ加盟社。労基署は、講師の男子大学院生(23)に深夜の割増賃金を払っておらず、残業の有無といった労働条件を明示していないなど、労働基準法違反が計3件あったとして、是正を勧告した。

大学院生は今年6月からユニオンに入って2社と団体交渉を続けているが、違法行為を明らかにするため6月下旬、労基署に申告していた。

2015年8月25日付・「明光義塾」加盟社に是正勧告 賃金未払い(朝日新聞)より抜粋

また、以下の記事でも解説していますが、ブラックバイトの典型例として、労働審判の最中になっている事例もあります。

最低賃金を知っていますか?完全歩合給は違法ですよ!
最近はブラック企業だけでなく、ブラックバイトに関する報道も目にするようになりました。今回は、極めて悪質なブラックバイトの典型例を用いて、完全歩合給の問題点、最低賃金の仕組みについて解説します。

行政初のブラックバイト実態調査の結果

このような状況を受け、厚生労働省は、大学生、大学院生、短大生、専門学校生、合計1000人に対し、アルバイトに関する意識等調査を行い、その結果を発表しています。

なお、対象者1,000人が経験したアルバイトの業種等は、コンビニエンスストア(15.5%)、学習塾(個別指導)(14.5%)、スーパーマーケット(11.4%)、居酒屋(11.3%)の順です。

学生の61%がトラブル経験済!

学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち48.2%(人ベースでは60.5%)が労働条件等で何らかのトラブルがあったと回答しています。

トラブルの中では、シフトに関するものが最も多く、その中には、賃金の不払い、労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかったという法律違反のおそれがあるものもあったようです。

59%で労働条件通知書の未交付

以前も書きましたが、労働条件の明示というのは、正社員、パート、アルバイト、職種に関係なく、義務づけられているものです。

今回の調査では、学生1,000人が経験したアルバイト延べ1,961件のうち58.7%で、労働条件通知書等が交付されていないということです。

そして、口頭でも労働条件に関する具体的な説明を受けた記憶がないアルバイトが19.1%ということです。

企業として求められる対応とは?

労働条件通知書の交付というのは、人事労務管理の基本中の基本であり、違反の場合30万円の罰金、パート・アルバイトの場合は10万の過料も追加されるものです。

こんな低レベルな人事労務管理しかできていないという事実には呆れるしかありません。

以下の記事でも解説していますが、労働条件通知書というのは使用者が交付すれば良いわけです。

雇用契約書と違ってお互いに同意し署名する必要はありません。

あなたの職場の労働条件にあわせて一度作成してしまえば、後はそれを使い回すだけです。

たったそれだけのことなんですよ。。。

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参考

大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査結果(厚生労働省)

ブラック企業のない社会へ――教育・福祉・医療・企業にできること (岩波ブックレット)
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

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