日本でも海外でも同じ・窮地に陥った会社を救ったシンプルな経営方針とは?

日々の業務の中で、優先事項を何に置いていますか?

例えば、お客様からの要望や依頼があれば、それが最重要業務になりますか?

それとも、予定していた業務があれば、まずはそれを優先し、お客様の予定は要望や依頼があった日の中で処理できれば良いのでしょうか?

一般的な正解というのはありません。どれを正解とするかは企業の考え方があるでしょうし、部署によって、担当によって異なります。営業部署がお客様からの要望を受ければすぐに対応する必要があるでしょうし、開発部署であれば今まさに開発中の商品に全力投球するのが当然です。

つまり、企業理念や経営方針として、「お客様第一」、「地域に貢献します」などと掲げるのは結構なことですが、働く人々が日々の業務の中で従うべき、いわば行動指針にまで落とし込んでたものでなければ、何の意味もないわけです。

そして、それを決定するのは経営者自身に他ならぬわけです。今回は、私が感銘を受けた日米の歴史的な企業の事例「安全第一」から、労務管理を軸としたシンプルな経営方針をご紹介します。

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アメリカの事例・USスチール

安全第一 (safety-first)は、アメリカ合衆国で誕生した標語である。

1900年代初頭、アメリカ国内では不景気のあおりを受け、労働者たちは劣悪な環境の中で危険な業務に従事していた。 結果、多くの労働災害に見舞われていた。

当時、世界有数の規模を誇っていた製鉄会社、USスチールの社長であったエルバート・ヘンリー・ゲーリーは労働者たちの苦しむ姿に心を痛めていた。 熱心なキリスト教徒でもあった彼は人道的見地から、当時の「生産第一、品質第二、安全第三」という会社の経営方針を抜本的に変革し、「安全第一、品質第二、生産第三」としたのである。

この方針が実行されると、労働災害はたちまち減少した。品質・生産も上向いた景気の波に乗り、この安全第一という標語はアメリカ全土に、やがて世界中に広まった。

from Wikipedia

日本の事例・ヤマト運輸

次に、宅急便の生みの親であるヤマト運輸の元社長、故小倉昌男さんの有名な書籍「小倉昌男 経営学」で紹介されている以下の有名なエピソードです。

「安全第一、営業第二」と書いたポスターを自社に貼った。その結果、事故は急激に減った。

運転者は「安全第一」といっても営業(配送効率)は絶対落してはいけない、できるだけ早くお届けするのが自分達の使命であるという呪縛ともいうべき思いがあり、その結果、安全よりも配送効率=スピードを優先していたが、トップから配送効率は二番手でいい、それより安全輸送が優先するのだという方針が明確に示されたので安心して安全輸送に取り組むことができたのである。

興味深いことに、「安全第一、営業第二」としたにもかかわらず不思議なことに営業(配送効率)は落ちなかった。

トップだからこそ『安全第一』、そして『営業第二』と言うことができる。

現場の責任者が宣言して、それを貼り出していたら、見回りにきたトップから「お前は何を考えているのだ!」とお叱りをうけるに違いない。だからトップ自らが何を優先するべきかを明らかにしなければいけない。

小倉昌男 経営学

まとめ

いかがでしたでしょうか?

強い企業とは、社員一人一人が役割を自覚し、社員がその能力を最大限に発揮する組織です。そして、その役割を自覚させるのは、経営者です。

みんなの意見を聞いて経営者が決めるというのは結構なことですが、決定したことについて責任を持つのは経営者自身です。

みんなで相談して、みんなで決めたんだから、みんなで責任を共有しようと言ってしまう経営者や管理者は少なくありませんが、そんな経営者や管理者だったら不要です。

個人の意見を尊重するというのは耳障りの良い言葉ですが、それは一人一人が既に役割を自覚し、経営者と同じ思考で、同じ判断を下せるという一定の水準に達した後の話です。

あなたの企業は、一人一人が従うべき日々の行動指針をつくっていますか?

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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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