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沖縄の「すごい経営者」インタビュー・コーカス・緒方教介さん

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沖縄の「すごい経営者」インタビュー第2回目のゲストは、株式会社コーカス代表取締役社長の緒方教介さんです。緒方社長は、本企画第1回目の藤本和之さんからご紹介を受け、知り合うことができました。

株式会社コーカスさんは、コールセンター事業を主な柱としていますが、ここで説明するよりも、同社のウェブサイト、または以下の会社紹介のYouTubeをご覧いただく方が雰囲気がわかると思います。

また、同社は、日本国内のコールセンターを有する様々な企業の取組を対象とする12回コンタクトセンター・アワード2015において、沖縄県内企業では初となる「審査員特別賞」を受賞するなどの快挙を成し遂げています。

今回はそんな沖縄のユニークですごい会社・株式会社コーカス代表取締役社長の緒方教介さんに色々なお話を伺いました。

(左が緒方社長、右がコンタクトセンター部・感動部の屋宜執行役員)

ご出身は大阪ということですが、沖縄移住のきっかけは何ですか?

元々沖縄に住みたいと思っていたところ、友人が沖縄でビジネスを行うというので、1999年12月に沖縄に移住しました。

ただ、そのビジネスがすぐにうまくいかなくなり、会社を辞めて約1年半ほど道売りをしました。

次に、子会社社長を勤め、子会社社長を退任後、2011年に今の会社を起業しました。

過去に遡ると、沖縄に移住と同時に結婚したのですが、最初のビジネスがうまくいかなく、て妻にはとても苦労をかけました。

御社のウェブサイトを見ると従業員の皆さんも笑顔に溢れていてとても楽しそうな会社の様子がうかがえますが、社長自身はかなりご苦労をされて今にたどり着いたんですね。ところで道売りって何ですか???

文字どおり、道で色々なものを売るんです(笑)

時間帯によって場所を変えるんですが、主に国際通りで、木の皮のバングルを売ってました。水に濡らすと腕にフィットするものなんですが、これが飛ぶように売れたんですよ!

木の皮のバングルはその昔、沖縄博でかなり売れていた商品らしく、道売りの師匠が売りまくっていたので、見よう見まねで売ってみたらめちゃくちゃ売れたんです。

最初は45-65円程度で仕入れて150円で売っていたんですが、マングローブの木の革で出来たもので、フィリピンだともっと安く仕入れることができると聞き、買い付けに行ってました。とにかくこれは売れましたね。

その後、調子に乗って香水も売りました!たくさん仕入れると利幅が取れるのでたくさん仕入れました。

結果・・・たくさんあまりました(笑)

面白いのは、道売りには仲間内でいくつかのステージというかレベルのようなものがあるんですよ(笑)

道売りにレベルがあるんですか???

客が集まると、路面店から「店舗前でやって欲しい」という依頼があるんです。

その次に、商品を店舗に置かせて欲しいという依頼が来ます。こうなると道売り連中から見た際にレベルが上がるわけです(笑)

店舗の方からすると売れる商品を置いておくことで、他の商品もお客様が買ってくれる可能性が上がりますから。そうなると交渉しやすくなります。

今の会社の起業に至った経緯を教えてください。

今の会社は、今同席してくれている屋宜を含め4名、レオパレスで起ち上げました。もう5年前になりますが、起業する際には悩みましたし、妻や当時7歳であった娘にも苦労をかけました。

ただ、そのとき娘に言われたことには凄く勇気をもらいました。

将来に悲観して進む道を迷っていたとき「パパ、問題は神様からの贈り物なんだよ。もっと成長できるきっかけなんだって。だって神様は越えられない壁は与えないんだから。」って言われたんですよ。

それは衝撃でした!そこからもう1度頑張ってみようと思いましたね。

御社のウェブサイトやYoutubeを見るととても楽しそうな雰囲気が溢れていますが、やはり相当のご苦労があっての今の姿なんですね。御社では、例えば12の行動指針、『誉め』の取り組みを具現化したCABAS(カバス)など様々な取組をされていますが、前職でも同じような取組をされていたんですか?

行動指針については前職のときもつくっていました。ただ、それは、有名なリッツカールトンやディズニーのクレドを真似て作ったものでした。

今の会社を始めるときに、このような行動指針は自分自身の言葉で作るべきだと思い、ホテルに缶詰になって12の行動指針をつくりました。

最も重要視したのは人生の選択肢として使えるものになることです。

CABAS(カバス)は、12の行動指針を社内に浸透させる目的で導入しました。友人の会社で採用していたCIMOSという仕組みがベースです。OEMで当社版を作ってもらいました。

システム化する前に、まずは紙でバッジをつくり社内で運用しだしたところ月間8,000枚も流通するようになったんです。

すると感動部のメンバーから「社長、私1日中バッジを切って、集計してます。それでも手が足りません。」って言われまして。。。(笑)

人件費×12ヶ月をするとシステム制作費を上回りました。そこで「ヨシ!システム化しよう!」となったんです。

色々ルールや誉め方を変えたことで現在は月産4,000枚ぐらいの流通に落ち着きましたが、それでも日産130枚前後の誉めが社内で流通してるって、素敵なことだなって我ながら思います。

今思うと、紙のバッジを開始した初月に8,000枚の流通があったこと、そんな人柄の良いメンバーが集まっていたこと自体がコーカスの最大の強みのような気がします。

最近の課題は「誉められ慣れ」です(笑)

多少のことを誉めても「WOW」って反応はもらえませんね。ただ、その状態のメンバーに「WOW」って言わせたらこれまたエクスタシーを感じるんです。

カバスでは、「誉める」をバッジという目に見える形にしたもので、例えば、Aさんのおかげで問題を解決できたというときに、コメントを入れ「問題解決バッジ」を送りします。そのようなバッジをもらってスゴロクを進めていくという遊び心を持たせています。

また、どのバッジを多くもらっているのかチャートを見ることで自己分析もできます。

チャートを見ることで、例えば自分はアイデアマンだと思っていても、他の人から送られてくるバッジが「情熱的に仕事をして周囲を巻き込んだ人に贈られる」情熱バッジが多いなど、他者の評価と自己評価が随分違うことがあって面白いです。また毎月の給与明細書に評価証明書というのをつけています。

社員がどのように働いているのかをご家族の方にも知らせることができますし、何より働き続けてもらうのにご家族の理解というのは重要です。

誉めることと遊び心を組み合わせるのはとても興味深いですね。それでは人事評価をどのように行っているか教えてください。

人事評価については、7名の幹部による経営推進部というチームをつくり、年2回、ホテルに缶詰になり3日間全員で議論して評価結果をつくりあげています。

評価シートをもとに点数をつけていきますが、ポイントは直属の部下でない社員の評価も幹部全員で議論することです。

これは幹部である以上すべての社員を知っておくべきという考えから行っています。

70名弱という人数、しかもシフト制の業務運営で全員を知るというのは難しいと思いますが、御社では様々なイベントをされる中でどのような工夫をされているんですか?

イベントは感動部という部署が行っています。

感動部は月1回のイベントを行いますが、シフトがあるため、3日に亘って開催するなどの工夫をしています。そのため、週単位でYouTube研修、フレンドリーミーティング、定例朝礼、終礼、月単位だと社員サミットMTG、親睦会飲み会、社員会飲み会、年1回忘年会、決起会、不定期では面談、チームビルディング、Tシャツ作成会、部活などなど様々なコミュニケーションの場を提供するようにしてます。

特に入社から6ヶ月メンバーにはバディー制度というお兄ちゃんお姉ちゃん制度を採用し会社や仕事に慣れてもらう工夫をしています。

これらは単発の取り組みでしたが、CABASと併用することで点が線になったように感じます。

平均年齢が33.8歳、男女比2:8で、メンバーには育児をしている女性や男性も多く、シフトの関係もあり、社員合宿(社員旅行のようなもの)をしても全員参加は難しく、日数も1泊2日が限界であり、これは今後の課題だと思っています。

新社屋建設に伴い、kitchenを創りました。コーカス食堂のスタートです。これが新しい取り組みですね。

我々がイメージしがちなコールセンターとは状況が全然違いますね。人材育成面での工夫や取組の効果について教えてください。

家での喧嘩など毎日の生活では憂鬱なこともあります。お客様と接する仕事ですので、一旦気持ちをリセットして仕事に臨もうということで、週1回、私がYoutubeで見つけた印象的な動画を見てもらって仕事に取りかかってもらったりしています。

YouTube動画をピックアップする際に僕が自分の席で泣いてます。1人で感動してしまって。。。最初は「社長が泣いている!」と社内が騒然としましたが、今や誰も関知しません(笑)

その光景は端から見たらおもしろいでしょうね。社長は昼間、自席で泣いてる。けど、、、皆、普通に仕事してますから。

これらの取り組みは全て、人としての在り方を学ぶものだと思ってます。在り方「為になる」「尽くしたい」「成長したい」がしっかりしている人は、顧客に愛されます。

そして、顧客からの愛情や感謝は、自分に自信を、そして仕事に誇りをもたらします。成果を明確に評価できませんが手ごたえは感じてます。

また、コールセンターというのはお客様と電話やメールでやり取りをします。

対面でないやり取りですから、高いコミュニケーションスキル求められます。取り扱う商品の知識も要求されます。ある会社では、スキルが高く専門知識も必要ということで、一部のオペレーターをエージェントと呼んでいるほどです。

私たちは顧客が求める能力を全て持ち合わせた上で、親和性とユニークを兼ね備えた人材を創り育てることをテーマにしています。

そのためにも、それを習得するために費やす労力と成果に見合った所得を実現できるようにしなければならないと思ってます。ある意味、それこそが最大の成果になるかもしれません。

また離職率が非常に高い業種ですが、弊社の直近1年の離職率は8%です。

離職率の改善は毎年されてますが、役職者の退職など尽きない悩みはあります。目的・目標が高い分、不足分は悩みや課題となりますが、その答えのない問題に愉快に取り組むメンバーとなら切り開けない未来はない、と断言します。

今日は長時間に亘るインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。**

所感・最後に一言

緒方社長の熱い人柄と楽しそうな会社の様子が少しでも伝わりましたでしょうか?

このインタビューは第1回目のゲストである藤本社長からのご紹介により実現したのですが、緒方社長と私はこの日が初対面です。初対面にも関わらず、1つ1つの内容を丁寧、かつ率直に、そして楽しそうに、お話いただきました。

実は、最初にご紹介いただき、色々調べるうちに、既に表彰をされたり、メディアにも取り上げられたりしている方なので、それ以上に面白い話を引き出すことができるだろうか、そもそもただでさえお忙しいのにお邪魔してもよいのだろうかと悩みました。

ただ、ウェブサイトやYoutubeを見ているだけでも、パワー溢れすぎている会社ですし、実際にお会いしてみたいという好奇心もあり、話を進めて出てきたのが、なんと「道売り」!

大変なご苦労を経て今があるというのがよくわかりましたし、もちろん、そこでも結果を出していたというのがすごいです。

今の会社の様子も、まるでパーティー会場のような雰囲気でしたし、緒方社長と従業員の皆さんの、楽しく、そして仕事はきっちりと行う様子がありありと感じられ、私自身、1つ1つのお話に驚きつつも、さわやかな気持ちになったインタビューでした。

なんといっても人事評価は幹部全員で3日間議論、幹部の皆さんも大変でしょうね。

せっかくいただいたご縁ですし、これから私も微力ながら、まさに言葉通りのユニークな「株式会社コーカス」さんを応援していきたいと思いますし、皆様にもぜひ応援をお願いしたいと思います。

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