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契約社員の年次有給休暇の発生条件と付与日数

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有期契約5年の無期転換ルールの対応の影響もあってか、契約社員の処遇、特に契約社員の年次有給休暇に関する質問をよく受けます。今回は契約社員の年次有給休暇が発生するタイミングと付与する日数について解説します。

契約社員の年次有給休暇の発生条件と付与日数

契約社員の年次有給休暇に関する質問のほとんどが以下の3点です。

  • 契約社員にも有給休暇を付与しないといけませんか?
  • 契約社員の有給休暇が発生するタイミングはいつですか?
  • 契約社員に付与する有給休暇の日数は何日ですか?

そのため、まずは年次有給休暇の原則から説明します。

年次有給休暇とは、罰則付きの強行法規である労働基準法第39条に基づき、労働の義務のある日について、その労働の義務を免除するものです。しかも有給で。

労働基準法第39条(年次有給休暇)
使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。

この労働者というのは、正社員だけでなく、契約社員を含むすべての労働者です。

そのため1番目の質問については以下の回答となります。

質問
契約社員にも年次有給休暇を付与しないといけませんか?
回答
当然、対象になります。

契約社員の年次有給休暇が発生するタイミング

労働基準法第39条により、法律上の最低限のルールとして、入社日から6か月経過した日に、年次有給休暇の権利が契約社員に発生します。例えば、4/1入社であれば、10/1に契約社員には年10日の年次有給休暇が発生します。

そのため2番目の質問については以下の回答となります。

質問
契約社員の有給休暇が発生するタイミングはいつですか?
回答
法律上の最低限のルールとして、入社日から6か月経過した日です。

ただし、入社日に年次有給休暇を付与する会社もあり、それは就業規則によります。つまり、年次有給休暇が発生するタイミングは会社によって異なるが、少なくとも入社日から6か月経過した日には発生するというのが正確な回答になります。

契約社員の年次有給休暇の日数

次に、契約社員の年次有給休暇の日数ですが、これは契約社員の週の所定労働日数・所定労働時間によります。

契約期間の定めがある(有期契約)、定めがない(無期契約)といった契約期間については年次有給休暇の日数に関係ありません。

実は「契約社員」という名称は法律による定義がなく、会社によって

  • 正社員と所定労働時間が変わらないフルタイムの契約社員
  • 所定労働時間の短いパートタイムの契約社員

と様々な契約社員がいます。

まず、年次有給休暇の付与日数は以下の表が原則です。ちなみに、これは正社員と同じ日数です。

継続勤続年数 付与日数
0.5 10日
1.5 11日
2.5 12日
3.5 14日
4.5 16日
5.5 18日
6.5以上 20日

そして、週の所定労働時間が30時間未満の場合、かつ週の所定労働日数が4日以下の場合、以下のように年次有給休暇の日数が比例付与されます。

週の所定労働日数 継続勤務年数
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

そのため、3番目の質問については以下の回答となります。

質問
契約社員に付与する年次有給休暇の日数は何日ですか?
回答
週の所定労働日数が5日以上または所定労働時間が30時間以上のときは正社員と同じ日数、週の所定労働日数が4日以下または所定労働時間が30時間未満のときは比例付与の日数となります。

まとめ

今回は、契約社員の年次有給休暇に関してよく受ける質問に解説を交えながら回答しました。

年次有給休暇については従業員の関心が高く、当事務所もよく相談を受けるため、間違った運用をしないように十分にご注意ください。

関連:年次有給休暇の対象、条件、付与日数、罰則等の詳細解説

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