就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第3回・配転)

こんにちは。昔の愛用品はオーダーYシャツ・今の愛用品はTシャツの福岡の社労士・安部敏志です。

さて、今回は「就業規則の見直しに役立つ99のポイント」の第3回目・配転編です。

なぜ、このようなシリーズを行うことになったかという経緯は、以下の第1回目の記事をご覧ください。

就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第1回・総則)
今回から、全10回のシリーズとして「就業規則のこの部分は最低限チェックしておこう!」という99のポイントをご紹介します。今回は第1回・総則編です。
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就業規則のチェックポイント(配転編)

具体的なチェックポイントに入る前に、念のため「配転」という言葉を解説しておきます。

配転とは、職務内容または勤務場所など配置の変更を表す言葉です。同一勤務地の場合は「配置転換」、勤務地の変更の場合は「転勤」、その他に「職種変更」や「一時的な異動」もありますが、これらを総称する言葉です。

  • 出向や配置転換がある場合、その種類の規定、応諾義務を明示していますか? なお、転籍の場合は従業員の個別同意も必要です。
  • 出向と転籍を区分して規定していますか?
  • 配置転換等に伴い後任への業務引継義務の規定はありますか?
  • 配置転換に際して従業員の子の養育または家族の介護に関する配慮義務を規定していますか?
  • 職務内容、勤務地を限定する従業員であっても、配置転換を打診する可能性があることを規定していますか?

まとめ

いかがでしょうか?

あなたの会社の就業規則は、上のチェックポイントにすべて対応できていますか?

余談ですが、今後、企業に広く裁量が認められていた配転については、同一労働同一賃金制の流れの中で難しくなっていくでしょう。

同一労働同一賃金制というのは、簡単に言うと、同じ職務であれば同じ賃金を払うべしという考え方です。「いやいや、同じ仕事でなく、成果が同じ場合に、賃金が同じになるべきだ」という意見もあります。

どちらが間違いで、どちらが正しい、というよりは、結局、会社の考え方次第です。人事制度というのはそういうものですから。業種によって成果を測りがたいという場合もあるでしょうし。

ただ、同一労働同一賃金制ということは、全国転勤が期待される正社員と転勤のない勤務地限定社員の賃金制度はどうなるのでしょうか?

おそらく、多くの企業の現在の人事制度では、全国転勤可能な正社員の方が賃金が高いでしょう。まさしくhamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)の濱口先生の言う「メンバーシップ型」と「ジョブ型」の違いなわけです。

最近は「働き方の見直し」が一種の流行のようになっていますが、従来の雇用慣行を変更するということは、長年かけて培われてきた他の雇用慣行にも影響を与えてしまうということを忘れてはいけません。

以前、書きましたが、同一労働同一賃金の議論は日本でも50年前にされています。そのときは多くの企業の人事担当者が人事を回せないと反対して、今の賃金制度になったわけです。

もちろん、その時代は今のような非正規雇用の問題がなかったわけですし、時代を踏まえた制度にすべく大いに議論すべきです。ただ、今の制度を単に古くさいと切り捨てるかのような議論は、いくら何でも先輩たちに失礼だろう、と思っているわけです。

50年前に議論されていた同一労働同一賃金とは?
今回は、同一労働同一賃金の歴史、なぜ日本では定着しなかったのか、日本に根付いた生活給という考え方、経済情勢に影響を受ける人事システムとオススメの本などを取り上げます。

先日以下の東京地裁の判決は大きな話題を呼びました。これも時代の流れですかね。

参考

定年後の再雇用で「給与引き下げ」は違法!? 「歴史的判決」が日本型サラリーマンを終焉に導く

第4回・服務規律編に続きます。

就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第4回・服務規律)
「就業規則の見直しに役立つ99のポイント」、今回は第4回・服務規律編です。服務規律は私が就業規則を見る上で最も重視している部分です。その理由を含めて今回はご紹介します。
就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第3回・配転)
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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