就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第5回・労働時間)

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

さて、今回は「就業規則の見直しに役立つ99のポイント」の第5回目・労働時間です。

なぜ、このようなシリーズを行うことになったかという経緯は、以下の第1回目の記事をご覧ください。

就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第1回・総則)
今回から、全10回のシリーズとして「就業規則のこの部分は最低限チェックしておこう!」という99のポイントをご紹介します。今回は第1回・総則編です。
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就業規則のチェックポイント(労働時間編)

全10回のシリーズとしてはじめた企画ですが、半分の5回目となりました。

いよいよ労働時間の部分です。前回の記事でも書きましたが、労働時間は人事労務管理に関する3大トラブルの1つです。

会社と社員の約束事となる就業規則では、トラブルになりがちなこの労働時間の部分を明確に書いておく必要があります。

  • 指揮命令の下で実際に労働する時間を労働時間とする実労働時間主義を規定していますか?
  • 規定の労働時間と実態の乖離はありませんか?
  • 変形労働時間制やみなし労働時間制を規定している場合、内容・運用は適正ですか? また必要に応じて労使協定を作成していますか?
  • 始業時刻から業務を開始できるように準備する旨、終業時刻までに業務を終了すべき旨を規定していますか?
  • 作業衣への着替え等、会社が義務づけている就業準備行為を労働時間から除外していませんか?
  • 時間外労働をさせる場合がある旨を規定していますか? また36協定は締結していますか?
  • 代替休暇や育児等を行う従業員の所定外労働について法令に沿った内容になっていますか?
  • 時間外労働・休日労働を許可制または届出制としていますか?
  • 管理監督者の職名を規定していますか? その範囲は適切ですか?
  • 管理監督者の時間外労働・休日労働の適用除外を規定していますか? また深夜労働・年次有給休暇を適用除外としていませんか?

まとめ

いかがでしたでしょうか?

労働時間で大事なポイントとなるのは、どこからどこまでを労働時間とみなすのか、そして実態がどうなっているかということです。

最高裁は、労働時間について、以下の判断を示しています(三菱重工業長崎造船所事件、平成12年3月9日判決)。

  • 労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間
  • 労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではない

つまり、実態が重要ということです。しかし、就業規則にきちんと規定していなければ、そもそも実態の管理・評価もできません。

所定労働時間と法定労働時間の違いは理解していますか? もし理解が不十分という方は以下の記事をご参考ください。

残業代の仕組みと計算方法を徹底解説! 実は9割以上の会社が間違っていたり・・・
今さら聞けない残業代の基本と計算方法、所定労働時間と法定労働時間の違い、残業代の計算を間違ってしまうとどれほど大きな金額になってしまうかという点について徹底的に解説します。

また、今は長時間労働に対する社会的な関心が高く、行政による監督指導も厳しく行われています。

約74%が違反!過労に関する行政の重点監督結果の具体例を解説!
平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督(企業への立入調査)の実施結果が発表となり、約74%の事業場が違反という結果でした。今回は法令違反の具体的な内容について解説します。

まずは、就業規則の規定の確認、そして実態と齟齬がないかをきちんと確認しましょう。そして、何より重要なのは、残業は仕方がないと思考停止に陥るのではなく、残業を減らせないか、そもそもゼロにできないかと常に業務改善を続ける職場環境にしていくことです。

第6回・休憩/休日/休暇/休業編に続きます。

就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第6回・休憩/休日/休暇/休業)
「就業規則の見直しに役立つ99のポイント」、今回は第6回・休憩/休日/休暇/休業編です。特に休暇については実際多くのご質問をいただきます。その理由を含めて今回はご紹介します。
就業規則の見直しに役立つ99のポイント(第5回・労働時間)
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

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