ユニクロ・中国下請工場の労働環境をNGOが潜入調査

こんにちは。福岡の社労士・安部敏志です。

以前から、このサイトでは、労働基準法を軽視する企業は人権を侵害する企業とみなされること、特に海外進出を考えている企業は労務コンプライアンスの意識を強く持っていないと危ないこと、などを書いてきました。

以前からユニクロの労務管理については、香港のNGOが、中国の下請け工場の労働環境が劣悪であると問題視していましたが、なんと、その後も潜入調査が行われており、追跡調査の結果が公表されています。

今回は、このユニクロの中国下請工場の労働環境の問題、NGOの潜入調査結果のポイントをご紹介します。

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潜入調査結果のポイント

詳しくは、弁護士ドットコムの記事「ユニクロ・中国下請工場の「ブラック労働」、NGO「根本的に解決していない」と指摘」をご覧いただくとして、この記事の中のポイントをご紹介します。

  • 未だに月80時間を超える時間外労働が行われている可能性が高い
  • 基本給が低いため、労働者が残業しないと生活費を稼げない
  • 防護装備などは提供されたものの、適切な安全教育がなされていないため、効果が乏しい
  • 労働者が自身の代表を選べず、工場側に意見を伝えられない構造

「委託先・下請」という言い訳は許されない

ファストリ社にとっては、現地の工場は直接経営しているわけではなく、あくまでも委託先。環境の改善は容易ではないかもしれない。しかし、ソフィーさんは「ユニクロは日本だけでなく、世界のアパレルブランドのスター。ファストリ社の方が明らかに資源を持っており、現地工場より多くのことができるのは確か」と言う。

以下の記事でも書きましたが、海外では労働問題=人権問題、これは当たり前の考え方になっています。そして海外には、労働者を支援する人権活動家が大勢います。

日本企業と海外企業の労務コンプライアンスの意識の違い
今回は、日本企業と海外企業の労務コンプライアンスの意識の違いについて、実際にマレーシアで発生した労働問題を事例に解説します。

「直接経営しているわけでもないのにそこまで対応しないといけないのか」という言い分はあるかもしれませんが、現実にこのような事態が発生していることだと認識しておくべきです。

そして、ユニクロのような大きな会社だけの問題と捉えるのは間違いです。

大きな会社だからこのように大きな反響になっているだけで、中小企業の規模でも同様の問題は発生しています。私がシンガポールで働いていたときなので、既に5年以上たっていますが、当時もこの手の話は聞いていました。

もしあなたの会社が、海外進出を考えているなら、海外で求められる労務コンプライアンスのレベルをしっかりと調査することをオススメします。

SACOMと共同調査を行った人権保護NPO「ヒューマンライツ・ナウ」の事務局長・伊藤和子弁護士も次のように語る。

「ファッションブランドを扱う企業は賃金が安く、労働権の侵害が起きやすいところに進出して、利益を得ている。国連では『ビジネスと人権に関する指導原則』(2011年)というものが採択され、ブランド企業がサプライヤー(下請け工場)にさかのぼって人権の保障をしないといけないという責務を定めている。日本でも『下請けのことは全然関係ないよ』という議論を乗り越えていかないといけない」

労働基準法を軽視=人権侵害の企業は海外では常識ですよ!
労働基準法というのは、働く人の権利を守るための法律です。労務コンプライアンスの重要性への認識が、日本と海外では大きく異なります。今回は、労働法と人権、リスクマネジメントについて解説します。
アパレル会社がアジアの労働環境改善に取り組む理由とは?
1/6の日本経済新聞に、世界のアパレル大手がアジアの縫製工場の労働環境の改善に取り組んでいるという記事が掲載されましたが、この背景を解説します。
ユニクロ・中国下請工場の労働環境をNGOが潜入調査
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この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

中小企業の人事労務担当者の育成を中心に業務展開。専門記事の執筆やセミナー・社内研修の講師業も実施。

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