効果の上がらないダイバーシティ研修よりも重要な仕組みづくり

何度同じことを言わせるんだ・・・

上司になって部下を持つようになると、ついつい言ってしまう一言です。

このような一言は、特に社員に変えてほしい行動があったときに出てくる言葉ではないでしょうか?

こういうとき、人材育成・社員教育の徹底が必要だと思いがちですが、それはちょっと違うのではと私は思っています。

今回は、ダイバーシティ時代の研修という切り口で、研修の効果と仕組みの重要性について書きます。

スポンサーリンク

同じことを3回言ってようやく伝わる

人の行動を変えるための教育というのは、時間がかかります。

忙しい経営者や管理職からすれば、1度言えば、わかるだろう・変わるだろうと思いがちです。

そして、同じことを2回言わなければならなくなると、「何度同じことを言えばわかるんだ・・・」と言ってしまいがちです。

一般的に3回同じことを言わなければ相手には伝わらないと言われており、以下のような名言もあります。

やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。(山本 五十六)

手本を見せて(やってみせる)、それを伝えて(言って聞かせて)、実践させて(やらせてみて)、認めて(ほめてやる)、ようやく人は動くということです。

うーん、かなり大変ですね。。。

だからこそ教育係というのは大変なわけです。

それに、はっきり言いますが、大人数の行動を教育によって変えることなど不可能と思った方が良いです。

行動を変化させる仕組みの導入

そんな他人の意識改革や行動の変化に期待するよりも、変化せざるを得ないような仕組みを導入する方が簡単でしょう。

以下は、マナー違反に悩むゆりかもめの新型車両に導入された座席の例です。

news-yurikamome

混み合う電車で、足を投げ出して座るのはマナー違反だ。車内放送でも注意を呼びかけているが、なかなかなくならない。そこで電車の車両をつくるメーカーが、座席の工夫で解決しようと取り組み始めた。

東京の新橋と豊洲の間を結ぶ新交通システム「ゆりかもめ」。1月から順次置き換えている新型車両の座席は、座る面をひざ側に9度上向くようにした。こうすると、座った人は自然にかかとを引く姿勢になるという。狭い車内でも乗客がスムーズに乗り降りできるように、車両をつくる三菱重工業が工夫した。

ゆりかもめの運営会社は、足の投げ出しや、足を座席に乗せるなどの「座り方」に対する乗客からの苦情に頭を悩ませていた。だが、新型車両の乗客からは、一切寄せられていないという。担当者は「座席の機能の工夫でマナーの改善につながり、ありがたい」と話す。

2014年10月23日付け朝日新聞「電車内の足投げ出し、新型座席で解決 苦情なくなる」より

悲しいことですが、マナー違反に対して呼びかけで解決しようと期待するのは、今や無理です。

特に、これからは文化が違う外国人と一緒に働かざるを得ないグローバル社会、ダイバーシティの時代です。

育った環境が違えば、そもそもマナーとして想定している基本的な部分が違います。

シンガポールの有名なガム事件

私は以前、多民族・多宗教国家であるシンガポールで仕事・生活をしましたが、マナー教育にはとても苦心していました。

シンガポールでは、医療用ガムを除きガムの輸入が禁止されていることは有名ですが、あなたはその理由を知っていますか?

昔は禁止されていなかったのですが、壁などそこらじゅうにかみ終わったガムをくっつけたりしていたんですね。。。なんたるマナー。。。

政府もマナーについて呼びかけていたようですが、どうにもそれが改善されず、結局、当時の首相であるリー・クアンユーが激怒し、ガムそのものを輸入禁止にしたくらいです。

これも意識改革よりもその根元を絶ってしまおうということですね。

意識改革より仕組みを変えてしまう

他人の行動を変えるための教育を一生懸命するくらいであれば、行動が変わらざるを得ないような仕組みを作ってしまう方がはるかに簡単です。

ただ、こんなことを書くと懲罰的なものをイメージするかもしれません。

例えば、遅刻をしないようにしましょうと教育するより、就業規則に罰金制度を盛り込など。

ただ、できれば懲罰制度より表彰制度を導入していただきたいと思っています。

先程シンガポールの例を出しましたが、シンガポールの会社では頻繁に表彰をしています。名誉を与えるわけです。

日本では10年勤続で表彰したりしますが、雇用の流動化が進んでいるシンガポールでその話をすると、驚いていました。表彰といってもお金をかける必要はありません。

表彰状を渡して、イントラネットなどに氏名を公表し、他の社員に周知するだけで十分です。その社員が名誉を感じ、これからも率先して他の模範になっていこうと思ってくれれば大成功なわけです。

ちょっとしたことでも大げさに表彰する、ぜひ実践していただきたいと思います。

社員のモチベーションを上げるための理論と実践・給料以外の報酬はこんなにある!
今回は、非金銭的な報酬、つまり給与や賞与に関連させずに社員のモチベーションを上げる実効性のある方法をご紹介します。

いま、静かにアドラー心理学が流行しているようです。試行錯誤も重要ですが、学術的に担保された方法を用いる方が早道です。

アドラー流 たった1分で伝わる言い方
戸田 久実
かんき出版
売り上げランキング: 4,911
効果の上がらないダイバーシティ研修よりも重要な仕組みづくり
本記事以外の人事労務情報も満載の
Facebookページを、
いいねしてチェックしよう!
スポンサーリンク

フォローする

人事の秘訣を知りたくありませんか?

人事の秘訣を知りたくありませんか?

本音満載で人事の秘訣を毎週お伝えしています。

過去の配信情報など、さらに詳しい情報をお知りになりたい場合は、こちらをご覧ください。

注意
*は必須項目を示しています。なお、氏名の欄には本名を漢字で入れてください。「たこ」など明らかにふざけた名前を登録している方がいますが、見つけ次第削除しています。


この記事を書いた人


安部敏志

あべ社労士事務所代表・社会保険労務士

国家公務員I種職員として労働基準法・労働安全衛生法等の立案や企業への徹底的な指導に従事した経験を武器に、退職後は逆に会社を守る立場として経営者・人事担当者からの人事労務管理に関するご相談に対応。

最近は記事の執筆やセミナー講師の依頼にも積極的に対応。仕事内容がわかりにくいとよく言われるので、業務内容・実績を紹介するページを作成しました!

ご相談・ご依頼はこちらから

error: Content is protected !!